「会社員」になりたいですか?
働くオンナ道
2021.11.12
今年、第一生命が小・中学生を対象に行った調査によると、大人になってなりたいものナンバーワンが「会社員」になったんだそうで。
マジですか。
ようやく「ユーチューバー」とか「アイドル」というキャッチーな職種が上位にくることに慣れてきたのに、一転して「会社員」ですか。
もしや、コロナのせいか。
CAさんは出稼ぎに行く、医者は感染リスクがある、アイドルは握手会が中止。
そこにきて安定の会社員ですか。
さて、小学生って「将来の夢」で作文を書かされるものですが、「会社員になりたい」場合、作文の内容をどう膨らませるのか実にナゾミです。
ぼくは大きくなったらかいしゃいんになりたいです。
そしておとうさんみたいに家ではたらきます。
ビールはまずいので「のみ会」がなくなってうれしいと思います。
そして、お父さんが毎日うちにいるのでお母さんもうれしいと思います。
そして、いしはらさとみとけっこんしたいです。
ああ自分つくづく教師じゃなくてよかった。私はこんな作文に赤ペンを入れる器はないのです!
「◯◯くんも大人になればわかるぞ!先生は今夜もビールがウマイ!」とでも書いとけばいいでしょうか。
確かにお父さんはコロナで自宅勤務になり、通勤とスーツが免除されて楽に見えるかもしれない。でもそうでもない場合も多いのよ。唯一の楽しみだった「のみ会」がなくなってツライのよ。
それとね、お母さんも無駄に昼ご飯を作ったり、お父さんのテレビ会議のせいで昼寝がしづらくなってイラッとしたり、なんならお父さんが生ゴミを持っていっていかなくなって余分な仕事が増えて全く嬉しくない(なんなら苦痛)のよ。
あとこれは蛇足だけど、石原さとみの言うところの“一般の会社員”は、ぜんぜん「一般」じゃないのよ。会社から年収5000万もらっている人は「会社員」じゃなくて「じょうきゅうこくみん」というのよ。
もひとつ言っとくけど、一応わたしも会社員の端くれなのよ。
君たちのいう「会社員になりたい」は、ちょっとザックリしすぎとるのよ。
いろいろ誤解はあるにせよ、会社員は遂に子供に憧れられる存在に昇格したのです。
しかし会社員である我々は、今日も今日とて「ああいい天気。仕事したくねー」と思っているに100パー間違いないのですが、我々を羨望の目で見ている(はず)の子どもに、「会社員イケすぎてて草」とSNSで発信してもらえるよう、少しだけテンションを上げていきたいものでございます。