製品設計・商品開発・研究・試験
製品/商品の企画・設計・開発・・・。呼び名としてはたくさんあるわけではありませんが、業務内容としては、対象が工業製品なのか日用品なのか、産業用なのか家庭用なのか、エンドユーザー向けなのかベンダー向けなのか・・・とても全体像を簡潔に表現できるものではありません。異論は当然あるとは思いますが、弊社が「職種」として考えているところを企画・開発・設計のプロセスで解説致します。なお、「商品」と「製品」の違いについては、「商売の目的で使用する」ものが商品、「加工が施されている」ものが製品であると一般的には説明されております。
商品企画・商品開発
商品企画の仕事は、消費者ニーズや流行・社会の要請などを観察しながら今後どのような商品・サービスが求められるかを分析、実際に新商品や新しいサービスとして世の中に送り出すことと言ってよいでしょう。商品企画は、新たな視点でこれまでにない発想・アイデアを備えている方が良いと言えますが、それ以外にも技術的に可能なのか、環境を破壊する可能性はないか、採算は確保できるのか、と言った抑えるべき点の徹底した調査も必要です。
その後、企画会議の承認やトップのGOの判断を得て、企画段階から開発段階にプロジェクトは進んでいくことになります。「商品開発」と「商品企画」は同じような文脈で語られることが多々あります。商品企画がアイデアを具体的なイメージにするというプロセスであるのに対し、商品開発は商品を現実のものとしてプロデュースしていくプロセスであるという違いがありますが、両作業はお互いに重なった部分が多く、それぞれを別々の業務だと捉えると周囲と垣根を作ったりすることもあり、注意が必要です。それぞれの仕事を知ることは、自分にとってのスキルアップと考え、積極的に協調していくことをおすすめします。商品企画と商品開発を兼ねて担当することももちろんあります。
設計・製品設計
製品設計の仕事は、「高品質な製品・商品を、安定して、タイムリーにリーズナブルな価格で市場に供給するための機能・形状・仕様を定める作業」と言えるかと思います。顧客ニーズや価格、納期などの情報、市場が要求する品質レベル情報や法規制・環境規制などの情報を収集し、製品の機能・仕様を定めていく、造り込んでいくことを「機能設計」と呼びます。一方、機能設計で構想された内容が、ものづくりによって実現できるかどうかを検討することを「生産設計」と呼び、製造部門(生産技術部門)とともにどのような生産ラインや設備を使用するか、資材や購買部門はどの部品をどこの会社から調達するか、といった内容を定めていきます。
こうした「機能設計」「生産設計」をベースに、社内にある設計資産やシミュレーション、各種評価試験、基準類などを活用し、図面や部品表、詳細仕様書を作成していきます。デザインレビューで関連部門の要求を満足しているかを検証する場を設定したり、試作・評価を行って要求される機能やスペックが満足されるかなどを確認したり、仕様にフィードバックを行うといったゲートを設け、何度も検証が繰り返されます。試験には性能や耐久試験、製品の立上前には量産テストなど製品が世に出て安定的に供給されるまで、設計者はその製品と寄り添います。だからこそ厳しいけれどやりがいがある仕事とも言えるでしょう。