品質保証・品質管理・検査

品質保証の仕事

品質保証の仕事は自社の製品・サービスの品質が、顧客要求を満足していることを保証するための体系的な活動のことであり、企業が果たすべき重要な役割の一つといえます。製造会社においては製造部門だけでなく、営業や設計、仕入先、輸送等まで含めた全社にわたる活動を求められます。たとえいくつものゲートを設定しても、顧客に不良品が納入されてしまうこともあります。その場合、品質保証部門は対顧客の窓口になり、顧客が納得する説明がマストとなります。不良の責任区分を明確にし、原因究明を行い、短期的な対策と恒久的な対策に切り分けて対応を取ることが求められます。顧客側もなあなあで済ますことは現代の製造業ではありえません。一方、時には顧客側での製品の扱いに問題があり不良が発生することもありますが、品質部門は毅然と顧客に物申さなければなりません。また新製品が立ち上がる際などには検査の方法や良品/不良品の区分等、品質保証に関する取り決めも行います。 会社によって状況は千差万別ですが、品質保証部門は、顧客に対する責任を果たすために、社内各部門からの独立性を確保し強い権限を持つ場合もあります。例えば新製品が立ち上がる場合、製造部門に対し顧客に成り代わって厳しい目線でチェックします。試作品は合格しても、量産段階で不良が発生することもあるため、初期流動管理として特別厳しい基準で検査工程を設定することも少なくありません。

品質管理・検査

品質管理の業務内容も幅広く、多岐にわたりますが、品質を管理するためには製品の検査は欠かせません。製品の検査データについては、一般的にQC(Quality Controlの頭文字をとった略語)の七つ道具を用いて今も管理・分析されます。具体的には、「パレート図(棒グラフおよび折れ線グラフ)」、「グラフ(統計グラフ)」、「ヒストグラム(柱状グラフ)」、「散布図」、「チェックシート」、「管理図」、「特性要因図」といった手法を用いて、製造現場におけるPDCAサイクルを回します。基本を地道に行うことによって、会社全体の品質レベルを底上げすることができ、QCサークルと共に製造業では昔から行われている管理手法といえます。また、品質管理部では、QC工程表の作成、運用をはじめ、作業標準書作成などの業務も含まれます。最近はどの生産ロットで問題が発生したのかを後追いで確認ができるトレーサビリティも求められます。方針管理や工程改善、製造部などへの品質教育の実施も品質管理の業務対象になります。これら顧客に対する品質を継続的に改善していく仕組みのことを品質マネジメントシステム(QMC, Quality Management System)と呼びます。QMCの規格に沿った取り組みを行うことでISO(国際標準化機構)などの認証を取得できます。認証は製品、サービスの品質を第三者機関が保証するものとなるためビジネスの信頼に繋がります。また品質管理システムでもデジタル化は進んでいます。AIと機械学習の技術を組み合わせた品質管理システムは、大量の品質データを解析し、異常を検知したり、問題を予測したりすることができます。これにより品質の改善や問題解決の迅速化が可能となります。検査業務や検査対象も広い範囲となります。例えば検査機器の調整、原材料のミルスペック確認、仕入先から供給される部品の検査表の定期的確認、そして自社製品の生産工程の最後の検査業務などがあります。作業者による目視検査ではバラつきが発生するため製造ラインに検査装置やセンサー等の設置が進んでいます。最近では外観検査にAIを導入する事例もあります。汚れや印字のズレ、金属部品の傷や打痕も検出が可能になりました。省人化にもつながり作業効率の改善にも寄与しています。 また、品質管理部では、QC工程表の作成、維持、管理をはじめ、作業標準書作成なども含まれます。ISOの事務局的仕事も品質管理部が行う業務の一つです。「ISO」(国際標準化機構)が重視される背景には、製品の取引などの国際化にともない世界共通の規格が必要になった背景があります。日本には「JIS」(日本工業規格)がありますが、国際的な取引で品質管理が世界レベルの達していることを容易に証明できることも理由の一つです。品質管理部では、このような事務作業も行うことも理解しておきたいです。

医薬品・食品の品質管理のい仕事

医薬品は、大げさでなく人の生命に関わる製品であり、何時何処でどのように製造された医薬品であっても、常に同じ品質を維持することが必要となってきます。 製造現場における品質管理担当者(QC担当者)は、薬剤の製造プロセスでGMP(Good Manufacturing Practice:医薬品及び医薬部外品の製造管理及び品質管理基準)に基づいた各種品質試験を行いますが、これは最終製品のみに行なわれるのではなく、原材料や容器・包装材・副資材などの受入検査や、製造環境の評価なども同じように行われ、継続的で信頼性の高い収集データの裏付けによってその薬剤の品質を保証する業務を担当することになります。QC担当者は、品質試験から得られた試験結果について、単に製造部門にフィードバックするのではなく、得られた結果やデータをあらゆる方向から検証し、品質の逸脱を予見し製造サイドに還元することで、不良品の発生を未然に防ぎ自社で生産する薬剤の品質の維持・向上につなげることが求められます。時に現場や管理部門からイヤな顔をされることもありますが、「ダメなものはダメ」とNOと言える毅然とした行動・態度も必要になります。品質管理の仕事を進めて行くと、薬剤に関する知識に加えて、生産設備や生産工程、原材料や容器などの仕入先の設備・生産工程など、広範囲に渡る知識も自ずと学んでいくことになるでしょう。また、薬剤の安全性を保障する試験自体の信頼性の確保もたいへん重要な業務であり、試験器具の管理や作業手順の作成なども品質管理が果たすべき役割と言えます。更に、公的機関の査察対応など、人の生命にかかわる製品の品質を守るために設定されたいくつものゲートを管理する仕事になります。
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